iDeCo・小規模企業共済の節税額(2026年12月の限度額引上げ対応)
iDeCo(個人型確定拠出年金)と小規模企業共済の掛金は、全額が所得控除になります。掛金の20〜40%程度の税金が減るため、 制度としての利回りは非常に高くなります。このツールでは、 あなたの所得でいくら減るのかを所得税・住民税に分けて計算します。
年間の節税額 41,689円(掛金 276,000円に対して 15.1%)
📌 2026年12月1日の改正:第2号被保険者(会社員・企業年金なし)の拠出限度額は 月 23,000円 → 月 62,000円(年 276,000円 → 744,000円)になります。 あわせて加入できる年齢が「70歳になるまで」に延長されます。
2026年12月1日、iDeCoの拠出限度額が大きく上がります
2025年6月に成立した年金制度改正法により、iDeCoの拠出限度額が 2026年12月1日から引き上げられます。特に会社員の引上げ幅が大きく、 制度としての位置づけが変わるレベルの改正です。
| 区分 | 現行(月額) | 2026年12月1日〜 |
|---|---|---|
| 第1号被保険者(自営業・フリーランス) | 68,000円 | 75,000円 |
| 第2号被保険者(会社員・企業年金なし) | 23,000円 | 62,000円 |
| 第2号被保険者(企業型DC・確定給付年金あり) | 20,000円 | 企業年金等と合算で62,000円 |
会社員で企業年金がない方は、月2.3万円から6.2万円へと2.7倍になります。 年間で言えば27.6万円から74.4万円です。課税所得が330万円を超える方なら、 年間の節税額は約8万円から約22万円に増える計算です。
あわせて、加入できる年齢が「第2号は65歳未満、第1号・第3号は60歳未満」から「70歳になるまで」に延長されます。60歳以降も働き続ける方にとっては、 拠出できる期間が10年伸びることになります。
なお第3号被保険者(配偶者の扶養に入っている方)の改正後の限度額については、 厚生労働省の公表資料から確認できなかったため、当ツールでは現行の月2.3万円のまま 表示しています。確定情報が出しだい更新します。
節税額は「限界税率 × 掛金」より小さくなることがあります
よくある説明は「掛金 × (所得税率 + 住民税10%)」ですが、これは正確ではありません。 掛金を差し引いた結果、課税所得が下の税率帯に落ちる場合、 落ちた部分には低いほうの税率しか適用されないためです。
たとえば課税所得が330万円ちょうど(所得税20%の帯に入った直後)の人が 年24万円を拠出すると、そのほとんどは10%の帯に落ちます。 単純計算では約7.3万円の節税に見えますが、実際は約4.8万円です。 当ツールは税額そのものを引き算しているので、この段差を正しく反映しています。
小規模企業共済は自営業者だけの制度です
小規模企業共済は、個人事業主や小規模な会社の役員が 自分の退職金を積み立てる制度です。掛金は月1,000円〜70,000円(500円単位)で、 全額が小規模企業共済等掛金控除になります。iDeCoとは別枠なので、 自営業者は両方を使えば年間で最大163.2万円(改正後は171万円)を所得控除できます。
加入資格は業種によって従業員数の上限が異なります。 建設業・製造業・運輸業・不動産業・農業などは20人以下、 商業(卸売業・小売業)とサービス業は5人以下です。 給与所得者との兼業や、登記されていない役員は加入できません。
受け取るときは、一括なら退職所得、分割なら公的年金等の雑所得として扱われます。 退職所得控除が使える一括受取は、税制上とても有利です。 ただし解約手当金は、加入期間が20年未満だと元本割れするので注意してください。
国民健康保険料は減りません
自営業の方が特に誤解しやすい点です。iDeCo・小規模企業共済の掛金は 「小規模企業共済等掛金控除」という所得控除であり、 所得税と住民税は減らしますが、国民健康保険料は減りません。
国保の保険料は「総所得金額等 − 43万円」を賦課基準額として計算されるため、 所得控除を引く前の金額が使われるからです。 これに対し青色申告特別控除は事業所得そのものを減らすので、国保にも効きます。 同じ「控除」でも効き方がまったく違うので、節税の順番を考えるときは この違いを意識してください。
iDeCoのデメリットも確認してください
- 60歳まで引き出せません。生活防衛資金を確保したうえで始めてください
- 口座管理手数料が毎月かかります(金融機関によって年2,000円〜7,000円程度)
- 元本確保型を選ぶと、超低金利下では手数料負けする可能性があります
- 課税所得がゼロの方(住民税非課税など)には節税効果がありません
- 受取時に退職金と重なると、退職所得控除の枠を分け合うことになります
計算の前提
- 会社員の課税所得は、年収から給与所得控除・社会保険料控除・基礎控除を引いた概算です
- 自営業の課税所得は、事業所得から国保・国民年金・基礎控除を引いた概算です
- 生命保険料控除・扶養控除などは考慮していません
- 住民税は所得割10%で計算しています
出典・根拠
- 厚生労働省「2025年の制度改正(確定拠出年金)」
- 厚生労働省「iDeCoの拠出限度額の引き上げ」
- 厚生労働省「年金制度改正法 主な改正内容」
- iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)「加入資格・掛金」
- 国税庁 タックスアンサー No.1135「小規模企業共済等掛金控除」
- 中小機構「小規模企業共済とは」
- 中小機構「小規模企業共済 加入資格」
最終更新:2026年8月23日