ふるさと納税のシミュレーション(令和8年分対応)

執筆:元取締役の総務担当最終更新:2026年9月25日

ふるさと納税で自己負担2,000円に収まる寄附額の上限を計算します。 上限は「住民税の所得割額」で決まるため、令和8年分の控除改正で 課税所得が変わった分だけ、去年までとは金額が変わります。

令和8年分の基礎控除104万円・給与所得控除74万円を反映した住民税所得割額から計算します
iDeCoを増やすと住民税が下がり、ふるさと納税の枠も小さくなります
家族分を合算した医療費のうち、10万円を超えた額です
住民税では合計7万円が上限です。源泉徴収票で確認できます

医療費控除・生命保険料控除・iDeCoは、寄附サイトのかんたん版シミュレーターでは 入力できないことがほとんどです。これらがあると住民税の所得割額が下がるため、 上限額も下がります。心当たりがあれば入れて計算してください。

自己負担2,000円で寄附できる上限 57,574円

住民税の所得割額235,900円この20%が特例分の枠です
所得税の限界税率5%
所得税からの控除2,837円還付
住民税からの控除52,736円翌年度の減額

計算式:住民税所得割額 235,900円 × 20% ÷(90% − 所得税率5% × 1.021)+ 2,000円

⚠️ この上限は目安です。医療費控除・住宅ローン控除・株式の譲渡損益などがあると 住民税の所得割額が変わり、上限も変わります。ぎりぎりを狙わず、 8〜9割程度に抑えておくと自己負担が2,000円を超えるリスクを避けられます。

📌 ワンストップ特例(寄附先5自治体以内・確定申告なし)を使う場合、 所得税からの還付はなく、全額が翌年度の住民税から引かれます。控除の総額は同じです。 医療費控除などで確定申告をするとワンストップ特例は無効になるため、 寄附金受領証明書を添えて確定申告に含める必要があります。

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年収別・家族構成別の上限額 早見表

入力するのが面倒な方向けに、年収と家族構成だけで引ける表を用意しました。 手入力の表ではなく、上の計算ツールと同じエンジンから生成しているので、 控除の改正があれば表も一緒に変わります。

年収独身・共働き夫婦共働き+高校生1人夫婦+高校生1人共働き+大学生・高校生
300万円28,079円19,716円19,716円11,352円6,994円
350万円34,652円26,288円26,288円17,925円13,567円
400万円42,190円33,827円33,827円25,464円21,105円
450万円49,941円41,578円41,578円33,215円28,856円
500万円58,092円50,318円50,318円41,366円37,007円
550万円69,101円57,291円57,291円48,834円43,981円
600万円77,773円69,502円69,502円57,668円54,841円
650万円86,471円78,200円78,200円69,928円63,016円
700万円108,496円86,597円86,597円78,325円75,317円
750万円119,878円110,393円110,393円88,251円85,243円
800万円130,772円121,287円121,287円111,801円94,743円
900万円156,699円147,214円147,214円137,728円134,279円
1,000万円183,920円174,434円174,434円164,949円161,499円
1,200万円249,395円249,395円239,473円239,473円225,942円
1,500万円394,064円394,064円382,343円382,343円366,359円
2,000万円568,181円568,181円556,460円556,460円540,476円
  • 令和8年分(2026年)の所得・控除で計算しています
  • 収入は給与のみ、賞与は年収に含めた月割りとして社会保険料を計算しています
  • 40歳未満(介護保険料なし)、協会けんぽ東京支部の料率で計算しています
  • 社会保険料控除以外の所得控除(医療費控除・住宅ローン控除・生命保険料控除・iDeCoなど)はゼロとしています
  • 中学生以下の子は扶養控除の対象外なので、上限額は変わりません

表を見ると、「夫婦」と「共働き+高校生1人」がまったく同じ金額になっています。 配偶者控除と一般の扶養控除が、住民税ではどちらも33万円で同額だからです。

もうひとつ、年収1,200万円以降は「独身・共働き」と「夫婦」の金額が同じになります。 配偶者控除は本人の合計所得が1,000万円(給与収入で約1,195万円)を超えると使えなくなるためです。 この年収帯では、配偶者に収入があるかどうかで上限額は変わりません。

寄附サイトのシミュレーターと金額がずれる理由

「サイトによって出る金額が違う」「実際に控除された額と合わない」という話をよく聞きます。 原因のほとんどは入力できる控除の数の違いです。

上限額は年収そのものではなく住民税の所得割額で決まります。 所得控除が増えれば所得割額が下がり、上限額も下がります。 ところが多くの「かんたんシミュレーター」は、年収と家族構成しか聞きません。 聞かれていない控除は、当然ながら計算に入りません。

年収600万円・独身(配偶者控除なし)を例に、 かんたん版で入力できないことが多い控除を入れると上限額がどう動くかを出しました。

入れた控除控除額上限額差
iDeCo(月2.3万円)276,000円70,855円-6,918円
医療費控除(年20万円)200,000円72,760円-5,013円
生命保険料控除(住民税で満額7万円)70,000円76,019円-1,754円
3つすべてがある場合546,000円60,354円-17,419円

控除なしの場合の上限は77,773円です。3つが重なると17,419円下がって60,354円になります。 iDeCoをかけていて、その年に医療費が20万円かかり、生命保険にも入っている—— 珍しい組み合わせではありません。

  • iDeCo(月2.3万円):小規模企業共済等掛金控除として全額が所得控除になります。掛金が大きいほど住民税の所得割額が下がり、上限額も下がります。
  • 医療費控除(年20万円):医療費が年10万円を超えた分が所得控除になります。家族分を合算できるので、出産や入院があった年は大きくなります。
  • 生命保険料控除(住民税で満額7万円):一般・介護医療・個人年金の3つで住民税は合計7万円が上限です。保険に入っていればほぼ確実に該当します。

住宅ローン控除は所得控除ではなく税額控除なので、上の3つとは効き方が違います。所得税から引ききれなかった分が住民税の所得割額から差し引かれるため、そのぶん上限額が下がります。住宅ローン控除の額が大きい方は、上限額が半分以下になることもあります。このページの計算には住宅ローン控除を含めていないので、該当する方は住民税決定通知書の所得割額で確かめてください。

上限ぎりぎりを狙わないでください。計算結果の8〜9割に抑えておけば、多少の見込み違いがあっても自己負担は2,000円で収まります。 なお、上のツールは社会保険料以外の所得控除を入力できるようにしてあるので、 心当たりのある控除は入れて計算してください。

上限を超えて寄附してしまったら

超えた分は控除されず、そのまま自己負担になります。 上限7万円の方が10万円寄附した場合、自己負担は2,000円+超過3万円で32,000円です。

返礼品の調達費は寄附額の3割が上限と定められているので、 超過した3万円について受け取れる品は9,000円相当までです。 差し引きで損になりますが、上限までの7万円分の控除が消えるわけではありません。「超えたら全部無駄になる」という誤解がありますが、そうではありません。

なお、超過してしまったあとから減らす方法はありません。 その年の12月31日までの寄附が対象なので、 年末に駆け込みで寄附する場合はとくに注意してください。

控除されたかどうかの確認方法

寄附した翌年の6月ごろに届く住民税決定通知書で確認します。 給与所得者なら勤務先を通じて配られる、税額の内訳が書かれた細長い紙です。

  • ワンストップ特例を使った場合: 「税額控除額」または摘要欄の寄附金税額控除額が、 (寄附額の合計 − 2,000円)とおおむね一致していれば正しく処理されています
  • 確定申告をした場合: 所得税から還付された分を差し引いた額が住民税側に出ます。 所得税の還付額は確定申告後に指定口座へ振り込まれます

金額が合わない場合、まず疑うのはワンストップ特例の申請書が期限に間に合っていないケースです。 申請書は寄附の翌年1月10日必着で、消印ではなく到着日で判定されます。 間に合わなかった場合は確定申告をすれば控除を受けられます (寄附した年の翌年3月15日まで。過ぎても5年以内なら還付申告ができます)。

控除は3階建てになっています

ふるさと納税の控除は、次の3つの合計です(寄附額をD、所得税の限界税率をrとします)。

  • ① 所得税からの控除=(D − 2,000円)× r ×1.021 ※所得控除方式なので還付される
  • ② 住民税・基本分=(D − 2,000円)× 10%
  • ③ 住民税・特例分=(D − 2,000円)×(100% − 10% − r×1.021)

①②③を足すと(D − 2,000円)×100%、つまり自己負担2,000円を除いた全額が戻る計算になります。 ただし③には「住民税の所得割額の20%」という上限があり、 これを超えると自己負担が2,000円を超えてしまいます。

この上限にちょうど当たる寄附額が、いわゆる「限度額」です。式にすると次のようになります。

限度額 = 住民税所得割額 × 20% ÷(90% − 所得税率 × 1.021)+ 2,000円

令和8年分は控除が増えたぶん、住民税所得割額も動きます

令和8年度税制改正で、給与所得控除の最低保障額が65万円から74万円に引き上げられました。 住民税もこの改正の対象なので、令和9年度課税(=令和8年分の所得)から 住民税の課税所得が下がります。

一方、住民税の基礎控除は43万円のまま据え置きです。 所得税の基礎控除だけが104万円に上がったため、 所得税の限界税率が下がる人が出てきます。式の分母(90% − 所得税率×1.021)が 大きくなるので、限度額はやや小さくなる方向に働きます。

年収の変化がなくても限度額が去年と違う可能性があるということです。 去年の金額をそのまま使い回さず、毎年計算し直してください。

ワンストップ特例と確定申告の違い

ワンストップ特例は、確定申告をしなくてもふるさと納税の控除が受けられる仕組みです。 条件は次の2つです。

  • もともと確定申告をする必要がない給与所得者等であること
  • 1年間の寄附先が5自治体以内であること(同じ自治体への複数回の寄附は1団体と数えます)

手続きは、寄附ごとに「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を翌年1月10日必着で寄附先の自治体に送るだけです。

ワンストップ特例を使った場合、①の所得税からの還付はなく、 その分も含めて全額が翌年度の住民税から差し引かれます。控除の総額は同じです。 ただし、医療費控除などで確定申告をするとワンストップ特例は無効になるため、 寄附金受領証明書を添えて確定申告に含めないと控除が受けられません。ここは要注意です。

令和9年寄附分から「定額キャップ」が入ります

令和8年度税制改正により、特例分(③)の控除限度額に金額の上限が設けられます。 「住民税所得割額の20%」と、道府県民税77万2千円・市町村民税115万8千円 (合計193万円)のいずれか低いほうが限度になります。

給与収入で1億円を超えるような水準で効いてくる上限なので、 多くの方には影響しません。適用は令和9年(2027年)の寄附分から(令和10年度の個人住民税から)で、令和8年分の寄附には影響しません。

ポイント付与は2025年10月に禁止されました

仲介サイトが寄附者にポイントを付与する形での募集は、 総務省の告示改正により2025年10月1日から禁止されています。 「ポイント還元で実質負担がゼロになる」といった説明をしている情報は古いものです。

さらに令和8年10月1日以後に効力が生じる指定からは、 「寄附金活用可能額(寄附総額 − 募集費用)が寄附総額の一定割合以上であること」 が指定基準に加わります。経過措置として令和8年指定は52.5%、 令和11年指定で60%と段階的に引き上げられます。

計算の前提(必ずお読みください)

この上限額は目安です。次のような事情があると住民税の所得割額が変わり、 実際の限度額もずれます。

  • 医療費控除・住宅ローン控除・寄附金控除(他の寄附)がある場合
  • 株式の譲渡益・配当を申告した場合
  • 年の途中で転職・退職した場合
  • 共働きで扶養の付け方が変わる場合

限度額ぎりぎりを狙うと、想定より所得が少なかったときに自己負担が増えます。計算結果の8〜9割程度に抑えておくのが安全です。 住民税の所得割額は、毎年6月ごろに届く「住民税決定通知書」で確認できます。

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よくある質問

ふるさと納税の上限額はどうやって決まりますか?

住民税の所得割額で決まります。式は「住民税所得割額 × 20% ÷(90% − 所得税率 × 1.021)+ 2,000円」です。年収そのものではなく、年収から給与所得控除・社会保険料・各種所得控除を引いたあとの課税所得に10%を掛けた額(=所得割額)が起点になります。このため同じ年収でも、扶養している家族の人数や、iDeCo・医療費控除などの有無で上限額は変わります。

寄附サイトのシミュレーターと金額が違うのはなぜですか?

多くの「かんたんシミュレーター」は年収と家族構成しか聞かないためです。上限額は住民税の所得割額で決まるので、iDeCoの掛金・医療費控除・生命保険料控除といった所得控除があると所得割額が下がり、上限額も下がります。年収600万円の独身の方なら、iDeCoを月2.3万円かけているだけで上限は約7,000円下がります。3つ重なると約17,000円下がります。住宅ローン控除がある場合はさらに大きく動きます。かんたん版で出た金額をそのまま使うと、自己負担が2,000円を超えることがあります。

上限額を超えて寄附するとどうなりますか?

超えた分は控除されず、そのまま自己負担になります。たとえば上限7万円の人が10万円寄附すると、自己負担は2,000円+超過3万円で32,000円です。返礼品の還元率は寄附額の3割が上限なので、超過分だけを見ると1万円寄附して3,000円相当の品を受け取る形になり、差し引きでは損になります。ただし控除がゼロになるわけではなく、上限までの分はきちんと控除されます。

今年の年収がまだ確定していません。どうすればいいですか?

見込みの年収で計算したうえで、出た金額の8〜9割に抑えるのが安全です。上限額は「その年(1月〜12月)の所得」で決まるため、12月の給与や賞与が確定するまで正確には出ません。去年の源泉徴収票の支払金額をそのまま使うのもよくある間違いで、転職・昇給・残業の増減があった年はずれます。なお住民税の所得割額は毎年6月ごろに届く住民税決定通知書で確認できますが、これは前年分の実績です。

共働きと専業主婦(夫)の家庭で上限額は違いますか?

違います。配偶者控除を受けられる場合は課税所得が下がるぶん、上限額も下がります。年収600万円なら、独身または共働き(配偶者控除なし)で約78,000円、配偶者に収入がない場合は約70,000円です。なお本人の合計所得が1,000万円(給与収入で約1,195万円)を超えると配偶者控除そのものが使えなくなるため、それ以上の年収では共働きかどうかで上限額は変わりません。上の早見表で年収1,200万円以降の2列が同じ金額になっているのはこのためです。

子どもがいると上限額は下がりますか?

16歳以上の子であれば下がります。扶養控除の対象になるのが16歳以上だからです。中学生以下の子は児童手当の対象で扶養控除がないため、何人いても上限額は変わりません。16〜18歳(高校生)は住民税で33万円、19〜22歳(大学生・特定扶養親族)は住民税で45万円の控除になるので、大学生の子がいるほうが上限は下がります。

ワンストップ特例と確定申告で、控除される総額は変わりますか?

変わりません。ワンストップ特例を使うと所得税からの還付がなくなり、そのぶんも含めて全額が翌年度の住民税から差し引かれます。控除の合計額は同じで、戻ってくる経路と時期が違うだけです。ただし医療費控除や住宅ローン控除の初年度などで確定申告をすると、提出済みのワンストップ特例の申請は無効になります。その場合は寄附金受領証明書を添えて、確定申告のほうにふるさと納税も含めてください。ここを忘れると控除が一切受けられません。

控除されたかどうかは、どこで確認できますか?

毎年6月ごろに届く「住民税決定通知書」(給与所得者なら勤務先経由)の、税額控除額または摘要欄を見ます。ワンストップ特例を使った場合は「寄附金税額控除額」が、寄附額から2,000円を引いた額とおおむね一致していれば正しく処理されています。確定申告をした場合は、所得税から還付された分を差し引いた額が住民税側に出ます。金額が合わない場合は、ワンストップ特例の申請書が期限(翌年1月10日必着)に間に合っていない可能性があります。

ポイント還元で実質負担ゼロにはできませんか?

できません。仲介サイトが寄附者にポイントを付与する形での募集は、総務省の告示改正により2025年10月1日から禁止されています。それ以前に書かれた「ポイント還元で実質タダ」といった説明は現在では成り立ちません。自己負担は2,000円がかかります。なお、決済手段そのものに付くポイント(クレジットカードの通常還元など)は仲介サイトの付与ではないため、この規制の対象外です。

出典・根拠

最終更新:2026年9月25日