賞与(ボーナス)の手取り計算
賞与から引かれるのは社会保険料と所得税です。住民税は賞与から直接は引かれません。 このツールは、給与明細に印字される概算の源泉徴収額ではなく、年末調整で精算された後の本当の手取りを計算します。
賞与の手取り 452,660円(額面の 75.4%)
| 内訳 | 金額 |
|---|---|
| 健康保険料 | 29,550円 |
| 子ども・子育て支援金令和8年4月新設 | 690円 |
| 介護保険料 | 0円 |
| 厚生年金保険料 | 54,900円 |
| 雇用保険料 | 3,000円 |
住民税は賞与から直接引かれません。翌年度(6月〜翌々年5月)の毎月の給与から 12回に分けて引かれるため、賞与が多かった翌年は毎月の手取りが減ります。 この表では「賞与が原因で増える住民税」を分けて表示しています。
給与明細の「源泉徴収額」は正しい税額ではありません
賞与から引かれる所得税は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」という表を使って 決められます。この表は「前月の社会保険料控除後の給与額」と「扶養親族の人数」から率を引き、 その率を賞与額に掛けるという仕組みです。
ここで重要なのは、この率が前月の給与だけを見て決められた概算だという点です。 年の途中で昇給した、残業が多い月だった、扶養家族が増えた、といった事情はすべて 年末調整で精算されます。つまり賞与明細の所得税額は仮の金額であり、 多く引かれていれば12月に戻り、足りなければ追加で引かれます。
当ツールは、この仮の金額ではなく「賞与があった場合となかった場合の年間税額の差」を 計算しています。最終的に賞与によっていくら税負担が増えたのかを知りたい場合は、 こちらのほうが実態に近い数字になります。
賞与の社会保険料は「標準賞与額」で計算します
賞与にかかる社会保険料は、賞与額の1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」に 料率を掛けて求めます。料率は月給と同じで、協会けんぽ東京支部の場合は 健康保険9.85%、子ども・子育て支援金0.23%、介護保険1.62%(40〜64歳)、 厚生年金18.3%で、いずれも労使折半です。雇用保険は0.5%(本人負担)です。
ただし上限があります。健康保険は年度(4月〜翌年3月)の累計573万円、厚生年金は1か月あたり150万円までです。この上限を超えた部分には保険料がかかりません。 年2回の賞与で合計573万円を超えるような場合、2回目の賞与の手取り率が 明らかに良くなるのはこのためです。
住民税は賞与からは引かれません
住民税は前年の所得をもとに年税額が決まり、6月から翌年5月にかけて毎月の給与から12分の1ずつ天引きされます(特別徴収)。 賞与月だけ多く引かれるということはありません。
つまり、賞与が増えた影響は翌年度の毎月の給与に現れます。 「去年ボーナスが多かったのに、今年は毎月の手取りが減った」と感じるのはこの仕組みのためです。 当ツールでは、賞与によって増える住民税を分けて表示しているので、 翌年の負担も含めた実質的な手取りが分かります。
賞与の手取り率は月給より低くなりがちです
月給の場合、社会保険料は標準報酬月額の等級で計算されるため、 給与が少し増えても等級が変わらなければ保険料は増えません。 一方、賞与は金額にそのまま料率が掛かるため、増えた分だけ保険料も増えます。
また、賞与を含めた年収が増えることで所得税の累進税率が上の段階に移ることもあります。 結果として、賞与の手取り率は月給の手取り率より数ポイント低くなるのが一般的です。 目安としては額面の75〜80%程度です。
計算の前提
- 健康保険は協会けんぽ東京支部の令和8年度料率。組合健保では異なります
- 年間の賞与は今回入力した1回分のみとして年税額を計算しています
- 扶養家族・生命保険料控除などは考慮していません
- 住民税は東京都特別区の税率で、翌年度に発生する分を表示しています
よくある質問
賞与から引かれる所得税を減らす方法はありますか?
賞与時点での源泉徴収額を減らすことはできませんが、年末調整で 生命保険料控除・iDeCoの掛金・扶養控除などを申告すれば、年間の税額が下がって差額が還付されます。 結果的に賞与から引かれすぎた分は戻ってきます。
退職前の賞与はどう扱われますか?
退職日以前に支給された賞与には通常どおり社会保険料がかかります。 ただし、資格喪失月(退職日の翌日が属する月)に支給された賞与には 健康保険・厚生年金の保険料がかかりません。退職日を月末にするか月末前にするかで 手取りが変わることがあります。
ボーナスが年3回以上ある場合は?
年4回以上支給される賞与は、社会保険では「賞与」ではなく報酬(月給)の一部として扱われ、標準報酬月額に組み込まれます。 年3回までであれば賞与として標準賞与額で計算されます。
出典・根拠
- 日本年金機構「従業員に賞与を支給したときの手続き」(標準賞与額の上限)
- 全国健康保険協会「令和8年度 都道府県毎の保険料率」
- 全国健康保険協会「子ども・子育て支援金率について」
- 国税庁「令和8年分 源泉徴収税額表」
- 国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について」
最終更新:2026年8月23日