フリーランスの手取り計算シミュレーター(消費税込み統合版)
売上と経費を入れるだけで、消費税(インボイス)・所得税・住民税・国民健康保険・ 国民年金・個人事業税をすべて含めた年間の手取りを計算します。 2割特例・3割特例・簡易課税・本則課税の4方式を並べて比較し、 2031年まで「どの年にどの方式が最有利か」も表示する、統合型のシミュレーターです。
2026年分の最有利は2割特例:手取り 459.9万円
2割特例の内訳: 国保 782,136円/ 国民年金 215,040円/ 所得税 405,200円/ 住民税 438,700円/ 個人事業税 0円 (基礎控除 670,000円を適用)
方式によって税金と保険料も変わります
納付する消費税は租税公課として必要経費になるので、たくさん納める方式ほど 所得が下がり、所得税・住民税・事業税・国民健康保険料も下がります。 消費税だけを見比べると差が大きく見えますが、実際の差はここで一部戻ります。
| 方式 | 事業所得 | 所得税 | 住民税 | 国保 | 手元に残る消費税 | 手取り |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2割特例 | 5,790,000円 | 405,200円 | 438,700円 | 782,136円 | 440,000円 | 459.9万円 |
| 簡易課税(第5種(サービス業等)) | 5,550,000円 | 362,700円 | 417,900円 | 750,912円 | 200,000円 | 445.3万円 |
| 本則課税 | 5,350,000円 | 327,200円 | 400,500円 | 724,892円 | 0円 | 433.2万円 |
| 免税事業者のまま(インボイス未登録) | 5,950,000円 | 433,800円 | 452,700円 | 802,952円 | 600,000円 | 469.6万円 |
「手元に残る消費税」は、取引先から受け取った消費税から、仕入れで払った分と納付分を引いた額です。本則課税では0円になります。預かった消費税をそのまま納めているためで、これが本来の姿です。
2026→2031年 納付額の推移と最適な方式
2割特例は令和8年(2026年)分で終了し、令和9・10年分は3割特例、 その後は簡易課税か本則課税を選ぶことになります。 あなたの数字での最適ルートは次のとおりです。
| 年分 | 最有利の方式 | 消費税納付額 | 手取り |
|---|---|---|---|
| 2026年分 | 2割特例 | 160,000円 | 459.9万円 |
| 2027年分 | 3割特例 | 240,000円 | 455万円 |
| 2028年分 | 3割特例 | 240,000円 | 454万円 |
| 2029年分 | 簡易課税(第5種(サービス業等)) | 400,000円 | 444.3万円 |
| 2030年分 | 簡易課税(第5種(サービス業等)) | 400,000円 | 444.3万円 |
| 2031年分 | 簡易課税(第5種(サービス業等)) | 400,000円 | 444.3万円 |
📌 2割特例は2026年分で終了。2027年分は3割特例(令和8年度改正で新設)が適用できます
📌 2029年分から簡易課税が最有利になります。簡易課税選択届出書の提出を2028年中に検討してください(特例適用の翌課税期間は提出期限の緩和があります)
2026年、フリーランスの消費税は「今が分岐点」
インボイス制度開始時に設けられた「2割特例」(売上にかかる消費税の2割だけ納める特例)は、 個人事業主の場合、令和8年(2026年)分の申告が最後です。 令和8年度税制改正により、令和9・10年分には新たに「3割特例」が設けられましたが、 その後は簡易課税か本則課税を自分で選ぶ必要があります。 簡易課税は事前の届出が必要で、いったん選ぶと2年間は変更できないため、どの年に届出を出すかで納税額が大きく変わります。 本ツールの複数年推移は、この意思決定のために作りました。
経過措置の控除割合も2026年10月に変わります
本則課税の事業者が免税事業者から仕入れる場合の経過措置(仕入税額相当額の一部控除)は、 令和8年度税制改正でスケジュールが変更され、2026年10月1日からは80%控除→70%控除になります(従来の予定では50%でした)。 その後2028年10月から50%、2030年10月から30%と段階的に縮小し、2031年10月に廃止されます。 古い記事には「2026年10月から50%」と書かれたものが多く残っているため注意してください。
令和8年分から基礎控除も変わります
令和8年度税制改正により、令和8年分の所得税から基礎控除が引き上げられました。 合計所得489万円以下の方は104万円(従来の48万円から大幅増)、 489万円超655万円以下は67万円、655万円超2,350万円以下は62万円です。 一方、住民税の基礎控除は43万円のまま据え置かれているため、 所得税と住民税で控除額が異なります。本ツールは両方を正しく分けて計算しています。
計算の前提(必ずお読みください)
本ツールは概算です。国民健康保険料は東京都特別区(世田谷区)の令和8年度料率で 計算しており、自治体によって金額が変わります。国保・個人事業税は本来 「前年の所得に対して翌年度に課される」ものですが、本ツールでは簡便のため 当年の所得で計算しています。経費は全額が適格請求書のある課税仕入れと仮定しています。 実際の申告にあたっては税理士等の専門家にご確認ください。
よくある質問
2割特例と簡易課税、どちらが得ですか?
第1種(卸売業・みなし仕入率90%)の場合のみ簡易課税(納付は売上税額の10%)が 2割特例(同20%)より有利です。それ以外の業種では2割特例が有利になります。 2割特例は届出不要で申告時に選べるため、使える年は使うのが原則です。
インボイス登録をやめて免税に戻ることはできますか?
登録取消の手続きをすれば可能ですが、取引先が仕入税額控除を受けられなくなるため、 値引き要請や取引見直しのリスクがあります。本ツールの「免税事業者のまま」の 手取りは、この取引リスクを織り込んでいない点にご注意ください。
出典・根拠
- 国税庁「令和8年度税制改正 インボイス関連の見直し」
- 国税庁「2割特例」特設ページ
- 国税庁「令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等」
- 国税庁 タックスアンサー No.6509(簡易課税のみなし仕入率)
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 世田谷区 国民健康保険料率(令和8年度)
- 東京都主税局「個人事業税」ガイドブック
最終更新:2026年8月22日(令和8年度税制改正を反映)